神経ブロック療法
神経ブロック療法とは、痛みの原因となる神経に直接麻酔薬を注入することで、その神経が支配している範囲の痛みを和らげる治療です。
痛み止めを飲んだり、湿布を貼ったりするだけでは痛みがとりきれないことがあります。そんな時に神経ブロック治療が行われます。
仕組み
痛みが強い時、薬で神経の痛みの伝達を一時的にブロックします。
痛みの原因となる神経に直接麻酔薬を注入
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・神経の異常な緊張や興奮を取り除きます。
・神経が支配している領域の痛みを遮断します。
↓
患部の痛みが緩和
↓
筋肉がが緩和する。
↓
血行改善
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主な種類
◆トリガーポイントブロック |
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一般的に、「痛み止めの注射」といわれるものです。 痛みが出ている部位に直接注射します。注射直後から痛みが改善します。 |
◆硬膜外ブロック |
背骨の中を通っている脊髄や馬尾(ばび)を覆う硬膜の外側にブロック薬を注入する方法です。 横向きに寝て腰から注射し、椎骨の間から薬を注入する方法と、うつ伏せになって仙骨から仙骨裂孔という場所を通して薬を注入する方法があります。 注射後に一時間ほどの安静が必要です。 |
◆神経根ブロック |
背骨の外側に出る神経根の一本に直接注射します。 神経に針を刺すので比較的強い痛みがあり、他のブロック療法で改善されない強い痛みがあるときに行われます。 うつ伏せになってX線の画像を見ながら針を刺し、腰や脚の痛み、痺れを起こしている神経根に造影剤を注入し、神経根の走行異常などを診断・造影剤注入後、局所麻酔薬などを注射します。 造影剤を併用することで神経の状態や障害部位を確かめることができます。 注射後に一時間ほどの安静が必要です。 |
基本的には、他の保存療法で痛みが抑えられない人が対象になります。
抗凝固薬を使っている人や糖尿病の人、がんなどによる免疫不全の人は注意が必要です。
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一口メモ:手術が避けられるかどうかの目安は?
ブロック療法の効果が、1~3日で消失してしまい、痛みが元に戻ってしまったり、ブロック療法を数回受けても痛みが残り、生活に支障をきたしている場合には、手術を勧められる可能性があります。
硬膜外ブロックなどをあまり何度も行うと、神経周囲の組織が癒着してしまうことがあり、手術しても行いにくくなってしまいます。