ぎっくり腰
重い荷物を持ち上げた時
くしゃみや咳をした時
後ろの物を取ろうとしたり、後ろから呼びかけられ振り返った時
立ち上がろうとした時
ゴルフや野球のスウィングをした時
ふとした瞬間、些細なことがきっかけで突然腰に激痛が起きるのが「ぎっくり腰」です。ドイツではその痛みの激しさから「魔女の一撃」と呼ばれています。
年配者だけでなく、比較的若い人でも起こる腰痛です。
ぎっくり腰は、腰を支える筋肉の一部が切れたり、椎間関節のじん帯が損傷したりすることが主な原因。
発症時は患部に炎症が起きているので、すぐに痛みを和らげる姿勢を取りましょう。
ケースによって異なりますが、まずは横向きに寝て、腰に負担がかからないように。それ以上の損傷を広げないようにしましょう。
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発症直後の姿勢
・楽な姿勢で横になる。 |
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膝を伸ばしたり、うつ伏せになると腰に負担がかかります。 横向きに、エビのように背中を丸め、膝を軽く曲げて寝るのがベスト。お尻に痛みがある場合は、痛む側を下にするとよいでしょう。あお向けに寝る場合は、膝の下に座布団やクッションなどを入れると腰への負担が軽減されます。 |
・座った姿勢になる。 |
横になれる場所がなかったり、座っているほうが楽な場合は、椅子に座ってください。 椅子に座る場合は、クッションや枕をお腹に抱え、前かがみの姿勢をとりましょう。 |
経過
発症直後は痛みで身動きができません。
ひどい場合はいきなりその場で動けなくなったり、トイレまで這っていくような状態になったりすることもあります。
まずは一番楽な姿勢で安静にし、炎症を起こしているところを冷やしましょう(痛みが強くなった時はすぐやめてください)。痛み止めの服用も有効です。
最初数日は症状は激しいですが、ぎっくり腰であれば緊急治療を要するものではありません。
急性期に無理をして病院に行くことがかえって炎症を広げる危険性もあります。病院にいっても基本的に日にち薬で、劇的に治るわけではありません。激しい痛みは2~3日でピークが過ぎ、その後徐々に痛みは軽くなっていきます。
ここでひとつ、注意が必要です。
突然、腰に強い痛みが起こる急性腰痛。ぎっくり腰で起こることが多いです。
しかしその痛みは本当にぎっくり腰でしょうか。
ぎっくり腰であればまずはとにかく安静が第一。しかし、「どんどん痛みが増す」、「痛み止めを飲んでも効かない」、「脚に痺れや麻痺がある」、「発熱や腹痛を伴う」、「冷や汗が出る」、「食事が録れない」「2、3日過ぎても激しい痛みが治まらない」などの場合は、すぐに病院(整形外科)を受診しましょう。
急に起こる腰痛の中には危険のものもあるので注意が必要です。
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超急性期(発症から2~3日)を過ぎたら
激しい痛みが治まってきても、痛みがあると動きたくないです。
しかしここで動かさず、安静の状態を続けていると回復をかえって長引かせてしまうことになります。
痛みが軽くなって少し動かせるようになったら、様子を見ながら少しずつ体を動かし、ストレッチなども始めていきましょう。そして痛みの具合を見ながら動かす範囲を広げ、普段の生活に戻すことが一番早く治す方法です。
ただし、腰痛を起こすきっかけになりやすい姿勢や動作、例えば重いものを持ち上げたり、前かがみの姿勢で作業したり、腰を反らしたり、腰をひねって振り返るなどはしないよう注意してください。
ちなみに動かさなければ強い痛みがない状態になると、炎症は治まっているので、患部は”冷やす”から”温める”ようにしてください。
1.軽く両膝を曲げたあお向けの体勢から、まず寝返りしたい方と逆側の手を床と垂直になるように伸ばします。 |
2.もう片方の手で伸ばした腕をつかみます。 |
3.その状態で寝返りしたい側に体を転がします。 |
痛みが少ない寝返りの方法です。
一度ぎっくり腰になった方が、再び起こす割合は多いです。急性腰痛を起こした患者さんの経過を調べた研究で、1年ほどの間に60~70%の人が再発を経験したと報告があったそうです。
一度経験された方は、いっそうぎっくり腰になりやすい動作に気をつけ、腹筋や背筋などのストレッチや筋力強化の運動で再発防止に努めましょう。
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一口メモ:ぎっくり腰はクセになる?
「危ない!!」と思ったら、何かにつかまって姿勢を固定したり、膝に手をついて前かがみになったりして、腰への負担を減らしましょう。